Title:【株式会社ベネフィット・ワン様】“作業”ではなく“戦略”であるRPO―エンジニア採用の最前線で見えた、伴走型支援の価値
- 採用コンサルティング

株式会社ベネフィット・ワン
情報システム事業部 川村 優 様
福利厚生アウトソーシング業界のリーディングカンパニーとして、1,200万人以上の会員基盤を持つ株式会社ベネフィット・ワン。同社ではレッドオーシャンといわれるエンジニア採用マーケットで熟練エンジニアをメインとした難易度の高い人材獲得に注力しています。しかし実際に採用実務に携わるメンバーは極めて少数。
そんな中、かつての「作業代行型RPO」では解消できなかった課題をNu Realizeはいかにして突破したのか。同社でエンジニア採用に取り組む川村 優 様とNu Realize代表の冨山が、その舞台裏を語ります。
1,200万人の会員基盤を誇るベネフィット・ワンの現在地
まずは、ベネフィット・ワンの事業内容と、現在の市場における立ち位置について改めて教えてください。
川村様(以下、敬称略): 私たちは企業の従業員様向けの割引サービスを提供している会社です。映画のチケットが安くなったり、旅行やレジャーを特別価格で楽しめたりといった福利厚生のプラットフォームを運営しています。昨今、社員の方々の手取りを直接増やすことは容易ではありませんが、福利厚生を通じて可処分所得を実質的に増やし、エンゲージメントを高める。それが私たちのメイン商材が提供する価値になります。
会員数が1,200万人を超えているというのは驚異的ですね。
川村: 国内で働く人の約6人に1人は当社のサービスを利用している計算になります。数年前にJTBベネフィットをM&Aしたことで、福利厚生業界においては名実ともにトップクラスの地位を確立いたしました。さらに2024年からは第一生命グループの一員となり、新たなフェーズに入っています。

ベネフィット・ワンがエンジニア採用に力を入れている理由はどこにあるのでしょうか。
川村: ここが私たちの事業の最もユニークかつ難しい点なのですが、実はベネフィット・ワンのサービスは「売って終わり」というパッケージプロダクトではないんです。顧客企業の想いに沿った工夫が必要になります。
健康経営を重視する企業様には「ヘルスケア専用のトップ画面」を構築したり。1,200万人という巨大なプラットフォームでありながら、事業の成長と併せて、一社一社の事業や特性、あるいは社員様への想いに沿ったフロントエンド、バックエンドの調整が常に発生しています。
「汎用的な仕組みと、個社ごとの最適化」を実現するために、エンジニアリングの力が不可欠なのですね。
川村: その通りです。単に既存システムの保守だけでなく、顧客の要望をどうシステムに落とし込むか、あるいは将来的なデータ活用を見越してどう基盤を整えるか。事業成長を考えたサービスの構築と、顧客の叶えたいことを調整し、モダンな技術を使っての開発などにも挑戦しながら進めていく。これが弊社のエンジニアです。エンジニア採用が滞ることは、事業の成長スピードの鈍化を意味するといっても過言ではありません。
社風としては、どのような雰囲気なのでしょうか。
川村: さきほど1,300名規模と言いましたが、非常にベンチャーマインドあふれる環境です。プロジェクトが常に並行して動き、意思決定のスピードが極めて速い。一方で福利厚生を扱う会社として自社社員のワークライフバランスも大切にしており、たとえば「定時だから切り上げよう」という声掛けも自然に行われているほど。
また、自分たちが開発し提供するサービスを社員自ら一人のユーザーとして利用できるため、社内からも「もっとこうしてほしい」という辛口のフィードバックが飛び交うことも(笑)。非常にユニークな社風だと感じています。

1人で最大80名の採用目標。従来型RPOで露呈したオペレーションへの埋没
今回、Nu RealizeにRPOを依頼された背景には、どのような課題があったのでしょうか。
川村: まずはじめに、当社の採用は少数精鋭で行ってきました。当時、エンジニアの採用担当は情報システム事業部付の私ひとり。チーム全体を見ても新卒担当、マネージャー共に、それぞれが常に50名以上の採用目標を追いかけていました。
1人で最大80名の採用は相当ハードルが高いように感じます。
川村: やりがいはありますが、実際にはなかなか大変でした。派遣スタッフの方に事務作業をサポートいただくこともありましたが、あくまで「時間内での作業」に限られます。日々スカウトを打ち、面接を調整し、現場とのすり合わせを行い……と、目の前のオペレーションを回すだけで一日が終わってしまう。本来やるべき次の一手や採用戦略のブラッシュアップを考えるための余力が、完全に枯渇してしまいました。
以前から他のRPOサービスも利用されていたとお聞きしましたが、状況は改善されなかったのですか?
川村: 以前は、あくまで作業の切り出しとしての稼働に留まっていました。「この媒体でスカウトを代行します」といったスポットの支援です。しかし、それはあくまで採用活動においての一手段をお願いしているのみで、大事なのはその後です。代行によって上がってきたレポートを分析し、改善策を考え、次の戦略を練り、新たに走り出す。その壁打ち相手としての関りまではできませんでした。

文字通りの「作業代行業者」だったのですね。
川村: そうですね…。実務面以外でもごく一般的な情報提供はしてくれましたが、当社の複雑な採用要件や社風に踏み込んだコンサルティング要素はどうしても希薄になりがちでした。結局、少ない人数でPDCAを回そうとしてもサイクルが途中で止まってしまう。そんな負のループに陥っていたときに、Nu Realizeの冨山さんと出会ったんです。
冨山代表から見て、当時のベネフィット・ワンの第一印象はいかがでしたか?
冨山: 「よくこの人数で、これだけの応募数、採用数を大きな事故もなく回せているな」というのが率直な感想でした。メンバー数や採用目標に対して、人事のリソースが足りていないのは火を見るより明らか。でも、ここがポイントなのですが、川村さんをはじめ採用現場の熱量は非常に高かったんです。だからこそ私たちは単なる「作業員」として入るのではなく、戦略のレイヤーから入り込んで川村さんの「右腕」になる必要があると直感しました。
川村: 紹介を通じて冨山さんとお話しした際、こちらの状況を瞬時に理解し、具体的な課題解決のイメージを提示してくれたことが契約を結ぶ決め手になりました。単にスカウトを打つだけでなく、エージェントとの打ち合わせ同席や採用施策全体の立案まで……決して大げさでなく「うちの採用のことは、私より冨山さんの方が詳しい」と言えるほどの深さで入り込んでもらえる。これでNu Realizeさんをパートナーとして選ばない理由なんてありませんよね、というレベルの伴走ぶりでした。

「泥臭いリサーチ」と「先回り提案」がもたらした成果
Nu Realizeが関わるようになってから、どのような「攻め」の施策が可能になったのでしょうか。
川村: スカウト運用における成果はもちろんこと、最も象徴的なのはハイエンド層、いわゆるPM(プロジェクトマネージャー),PL(プロジェクトリーダー)クラスの採用です。私たちが求めていたのは、経験15年以上のベテラン。想定年収1,200万円前後の非常に希少なレイヤーです。当然、各社で争奪戦の様相を呈する人材でもあり、普通に媒体を眺めているだけでは見つかりません。
そのようなレッドオーシャンの中で、冨山代表はどのような手を打ったのですか。
冨山: 注目したのは過去の接点の掘り起こしです。転職市場に今いる人だけに当たるのは限界があります。そこで、過去に選考で接点があった方や、辞退された方に対して、改めて長期的なナーチャリング(関係構築)をしませんか、と提案しました。
川村: これ、口で言うのは簡単ですが、実行するのは非常に大変なんです。過去のリストを整理し、どのような理由でご辞退されたのかを精査し、適切なメッセージを送る。心理的なハードルもありますね。冨山さんは「まず私がリストアップして、動線を作ります」と、戦略立案だけでなく実行まで自ら手を動かしてくれました。
絵を描くだけのコンサルではなく、泥臭い実行力がNu Realizeの強みだと。
川村: さらに驚いたのが、毎週2時間ほどかけて行っている「差分リサーチ」です。現場のエンジニアも協力的にスカウトを打ってくれてはいるのですが、忙しい現場の方はどうしても「自分たちの要件に100%合致する人」にフォーカスする傾向があります。冨山さんは現場の方がチェックしている媒体をさらに深い視点で毎週リサーチし「現場は保留としているけれど、実はポテンシャルがある人」を炙り出し、現場責任者を巻き込んで打診するところまでを実施してくれたんです。

冨山: 現場の方が本気で頑張ってくださっているからこそ、その成果を最大化したかったんです。中途のエンジニア採用はそもそもの絶対数が少ない。だからこそアプローチできる候補者を一人も漏らさないという執念が必要でした。
川村: これが本当に凄くて。内定3名、その後の決定1名と、驚異的な結果がでました。それでもご辞退となってしまう方へは、定期的な情報発信についても事前に打診するなどの策も提示頂き、実施しているところです。
戦略的なアドバイスだけでなく、そこまで泥臭く実働されるのですね。
川村: そうなんです。「まず私からこれやっておきますんで」という言葉を何度聞いたかわかりません。まさに戦略から作業までをワンストップで、しかも当社のスピード感に合わせて並走してくださる。その結果、開始から半年足らずで、難易度の極めて高いPM職の内定が決まりました。それ以外にも現在数名が最終フェーズまで進んでいます。エージェント経由でもなかなか会えないようなハイエンドな層と、ダイレクトで短期間にこれだけ接点を持てたのは、間違いなく冨山さんのおかげ。私たちだけでは絶対に成し遂げられなかった成果です。
取り組みを強化してから、どれくらいの期間で結果が出たのですか?
冨山: 現在の強化施策を始めてからは、半年以内ですね。
川村: 本当に早かったです。それまでのRPO会社では成し遂げられなかったであろう短期間での成果だと感じています。
他にも、Nu Realizeならではの強みを感じる点はありますか。
川村: レスポンスの速さと、先見性です。当社の意思決定は非常に速く、今日の方針が明日変わることも多くあります。冨山さんはそれに対して「あ、じゃあこうやりますね」と即応するだけでなく、「方針が変わる可能性も見越して、あらかじめこちらの準備もしておきました」と先回りして動いてくれる。もはや社外のパートナーというより、同じチームの心強いメンバーという感覚です。

RPOの真のゴールは「内製化」にあり大きい
ここまで非常に良好な関係を築かれていますが、今後、Nu Realizeとのパートナーシップをどのように発展させていきたいとお考えですか。
川村: 逆説的に聞こえるかもしれませんが、最終的なゴールは「自走できる組織」になることだと考えています。実は、導入時の決め手になった冨山さんの言葉に「最終的には自走できるように伴走します」というものがあったんです。これはRPO会社としては本来、売上が減るリスクがあるため、なかなか言えない言葉のはずです。
「依存」させるのではなく「自走」を支援する、ということですね。
川村: 永続的にRPOに頼り切ってしまうのはコスト面でもノウハウ蓄積の面でも、会社として正解ではありません。Nu Realizeさんは自社が持つノウハウを惜しみなく私たちに提供し、私たちの「採用筋力」を鍛えてくれる存在です。
冨山: 私も川村さんとその会話をしたことは鮮明に覚えています。基本的にはRPOに限らず、採用のような戦略に直結する業務は内製化されるのが一番いいんです。その方がスピードも上がりますし、社内に資産が残る。ベネフィット・ワンさんがいち早くそうなれるよう、私たちは全力で伴走し、必要がなくなれば喜んで身を引く。それがプロフェッショナルとしての在り方だと思っています。

川村: 冨山さんはその言葉通り、単に業務をこなすだけでなく「なぜこの施策が必要なのか」「どうすれば社内でこの工程を再現できるか」という視点でアウトプットをくれる。今後は、さらに難化するエンジニア採用において、今回確立したハイレイヤーの採用の成功パターンを横展開し、より機動的な採用体制を社内に定着させていきたいと考えています。
素晴らしい関係性ですね。そのためには、時には耳の痛いアドバイスも必要になるのではないでしょうか。
川村: これは本心からお願いすることでもあるのですが、私たちがの考える取り組みが、客観的に見て市場の動きなどと乖離があった場合、冨山さんには「それは違いますよ」とはっきり言ってほしいんです。単なる業者と発注者ではなく、共通のゴールを目指すフェアなパートナーでありたい。今後、エンジニア採用がさらに難化する中で、体制をいかにバージョンアップさせていくか。その挑戦において、冨山さんの知見は不可欠なんです。
最後に、Nu Realizeのサービスはどのような企業に推奨できると感じますか?
川村: 「決まった作業だけを低コストで回してほしい」という会社さんだと、おそらくNu Realizeさんの価値は発揮されにくいでしょう。逆に状況が目まぐるしく変わるベンチャー企業や、これから採用体制を整えたいけれど今はリソースも知見もないという企業からすれば、これ以上頼もしい存在はないと断言できます。
冨山: ありがとうございます。私たちは単なる採用代行ではなく、お客様の組織の一部として機能することを目指しています。これからもベネフィット・ワンさんの成長に、最も近い場所で貢献し続けたいですね。
