本記事ではSNSを活用した採用活動について解説致します。
インターネットの普及に伴い情報流通は加速し、SNSも同様に近年急速にユーザー数を伸ばしています。
総務省の調査によると10代の情報収集はテレビよりもインターネットを使った割合が増えており、
1日の内2時間~4時間程度スマートフォンを使っているというデータが出ています。
情報収集からコミュニケーション、近年では購買にも使えるSNSは今では生活インフラとなりつつあります。
このような状況からも求職者にリーチするうえでもSNSを使うことが有効的な施策であるといえると思います。
本記事では実際のSNSの市場データやSNS採用に関するトレンドや他社事例、運用方法まで解説します。
是非ご参考にしてみて下さい。
SNS利用者数
日本国内におけるSNSのアクティブユーザーは年々増加しているだけでなく、
世界的に見ても10年以上増加し続けています。
2019年末の国内ネットユーザーは9,960万人と推定されていますが、
近年の日本国内でのSNS利用率は80%~90%に達する見通しとなっており、国民の大半がSNSを活用していると言えます。
※参照(ICT総研)
SNSの市場規模
上述の通りSNSのユーザーは世界だけでなく国内でも堅調に増加し続けており今後も伸び続けていく見込みです。
ユーザーの伸長に伴い、企業は広告出稿や自社アカウント運用、インフルエンサーマーケティングなど様々な手法を取り入れて事業に活用しています。
サイバー・バズとデジタルインファクトの調査によると、
SNSの市場規模は2020年時点で5,519億円、前年比107%となっています。
2025年のソーシャルメディアマーケティング市場規模は、2020年対比で約2倍、1兆1,171億円に達すると予測しています。
1兆円という規模は教育業界やホテル業界と並ぶほどの巨大産業であり、
今後の成長は著しく増加傾向にあると言えます。
SNSを活用した採用活動
求職者のSNS利用
SNSの利用者数の増加は若年層を中心として伸び続けています。
使用用途はコミュニケーションツールとしてだけでなく、
政治や経済など自身の興味がある情報の収集やショッピング、娯楽など様々な側面があります。
多様な使われ方をしているSNSですが、近年は就職活動や転職活動でも使われるケースが非常に増えており、
株式会社エフェクチュアルと株式会社グローバルウェイが実施した調査によると
約30%の求職者がSNSを活用して企業の情報収集をしています。
※参照(PR TIMES)
このデータからは多くの方が採用ホームページからの公式情報だけではなく、
口コミサイトや検索結果、SNSやなど偏りのない情報を網羅的に調べていることがわかります。
そのため、人事の仕事としては従来は採用HPのみの更新を行っていれば採用が進んでおりましたが、
近年は様々な手法が普及し、企業が採用候補者へ直接繋がることが容易になったため、
ネット上でのブランディング、情報発信などが企業の採用課題となりつつあると思います。
複数ある情報発信ツールの中でもSNSに関しては上述の通り、
利用者数と市場が成長傾向にあるためSNSを活用した採用活動は今後のトレンドとなると思っております。
実際に既に市場に先駆けてSNSを活用した採用成功も多く生まれているので簡単にご紹介します。
新卒に特化したSNS採用の事例と運用方法はこちら
SNSを活用した採用成功事例
SNSを活用した採用活動のメリット
採用単価0円で採用が出来る
SNS基本的に全ての機能が無料(広告を除く)となっているため、
SNS運用にかける人件費を除くと一切コストがかからずに採用を行うことが出来ます。
母集団形成
拡散力が高く、多くのユーザーに情報発信を出来るため短期的なエントリー数の担保にも寄与します。
移行率の向上と辞退率の減少(求職者との相互理解が深まる)
SNSでの発信内容は気取らない内容でありのままの情報となっているため
社しなければわからない会社の雰囲気や実際に活躍している社員の紹介など、
SNS上で知る機会が増えるので接触後の離脱防止や入社後のミスマッチによる内定辞退を減らすことが期待できます。
SNSを活用した採用活動のデメリット
工数
SNSの運用は定期的な頻度で継続し続けることが何より大切です。
最低でも1週間に一度の更新。
理想は毎日更新です。
採用活動は閑散期と繁忙期がある中で、1年中継続し続ける工数が人事や広報にとっては大きな負担とならざるを得ないと思います。
リードタイム(結果が出るまで時間がかかる)
求職者からのエントリーなど一定の結果を得るためには
半年から1年以上運用し続けた後にようやく成果が出ます。
何故SNSは短期的な採用施策ではなく、長期的な採用施策であるためです。
数十名から数百名程度のフォロワーの段階ではリーチできるユーザーが少ないため求職者からの応募には至りません。
しかし半年から1年以上の運用をし続けると影響力があるアカウントに育ち、
その後は一定の反応が見込めます。
炎上リスク
SNSでは多くのユーザーとコミュニケーションを取れるため、
批判を買うような発信をしてしまうと、実際に批判を受け、拡散されることにより企業のブランディングの失墜に繋がる場合があります。
SNS採用戦略設計
最適なSNSの選定
SNSと一口に言っても、画像に特化したInstagramや動画コンテンツに特化したYouTubeなど様々なSNSがあります。
自社の採用課題に応じて下記の特徴から最適なSNSを選択することが大切です。
▼新卒採用戦略に関する設計方法はこちらから
■【 新卒採用戦略 】市場動向や他社事例から分析した今後の新卒採用戦略
SNS | 国内月間アクティブユーザー | ユーザー層 | 特徴 | 向いている企業 |
LINE | 8,600万人 | 全世代 | 1対1の相互コミュニケーション | 母集団:◎ 移行率:△ 新卒:◎ 中途:◎ SNS以外の広告で充分な母集団形成が見込めており、 学生とのグリップに課題を感じている企業 |
YouTube | 6,200万人 | 全世代 | 世界最大の動画プラットフォーム | 母集団:△ 移行率:× 新卒:◎ 中途:◎ 母集団形成後の惹きつけに課題を感じている企業 ※検索流入も見込めるため、YouTubeを通じた母集団形成は可能 |
Twitter | 4,500万人 | 20代~40代が主要 | ・テキスト投稿 ・拡散性 ・リアルタイム性 | 母集団:× 移行率:△ 新卒:◎ 中途:◎ 母集団形成に課題を感じている企業 |
Instagram | 3,300万人 | ・10代~40代が主要 ・女性が主要 | ・画像特化 ビジュアル訴求
| 母集団:× 移行率:△ 新卒:◎ 中途:△ ・母集団形成に課題を感じている企業 ・新卒採用に注力している企業 |
Facebook | 2,600万人 | 30代~50代が主要 | 完全実名制によるリアルな繋がり | 母集団:○ 移行率:△ 新卒:× 中途:◎ ・中途採用に注力している企業 |
Nu realize
Nu Realizeが提供するSNS採用支援サービスはこちらから
目標設計
運用を行う上で最も大切なことは目標設計です。
KGI(最重要達成指標≒最終目標)
KPI(重要業績評価指標≒プロセス)
それぞれを設定した上で運用しましょう。
KGIを採用人数に設定し、KPIをフォロワーや投稿数、イイね数など
の設定がシンプルでPDCAを回しやすいと思います。
ペルソナ設計
ペルソナ設計は大きく分けると3つの方法があります。
1.自社の顧客から「帰納法」でペルソナ設計をする
2.想定顧客へのアンケート
3.自社内での議論を行う
1から3の順に事業のフェーズによって変えていくべきだと考えております。
既に事業が確立していて顧客が充分にいる場合は、1若しくは2の方法が望ましいです。
また、事業をこれから創っていくタイミングにフェーズにおいては3の方法が適切です。
いずれの方法にしても下記の情報を纏めて
ユーザーの人物像が具体的にイメージが湧く粒度まで作りこむことが大切です。
年齢/大学/学部/住所/家族構成/職業/ライフスタイル/性格/悩み/就活の軸/その他
競合分析
目標を設計し、ペルソナ設計まで終えたらあと一歩です。
残す分析は競合分析です。
SNS採用市場はまだ企業の導入が進んでいないので探すのが大変ですのでまとめサイトをご紹介します。
SNSにおける競合を分析し、
他社との差別化戦略を落とし込み投稿内容やコンテンツの方向性を定めることが大切です。
SNS採用事例纏めサイト(中小企業の採用マニュアル)
具体的なSNS運用方法
企業アカウントではなく、「人」のアカウントで人間味を出す
SNSを運用する多くの企業が「○○株式会社」などといったアカウントで運用を行っています。
よっぽど大手企業であればそのようなアカウントでも既にブランドが確立しているので問題ないですが
中小企業は真似をしてはいけません。
理由は下記2点が挙げられます。
1.SNSユーザーは人との繋がりを求めてSNSを利用しているため
2.会社名アカウントの場合、結局は商品サービスの宣伝投稿をするしかないため
そのため、中小企業の場合は個人(スタッフ)アカウントを作成して運用するのが好ましいです。
アウトバウンド施策
顕在層へのリーチ
SNSアカウント開設直後~半年程度はフォロワーがいないため、
自発的な行動(アウトバウンド施策)が最も大切です。
潜在層に対して、イイねやフォローを行うことが望ましいです。
潜在層を見つけるためには、自社の競合アカウントを調査し、
競合アカウントのフォロワーに対してイイネやフォローを行うことで
自社へ興味が高い可能性があるユーザーの獲得に繋がります。
潜在層へのリーチ
顕在的なユーザーの獲得と両軸で進めるべきは、潜在層へのアプローチです。
潜在層へのアプローチは、ペルソナ設計に基づいたユーザーデータから
ターゲットユーザーが関心を持っていると想定される投稿を調査し、
その投稿に対してリアクションをしているユーザーに対して
イイネやフォロー、時にはリプライ、DMを実施することが大切です。
インバウンド施策
共感・学び・笑い
SNSの運用において心得ておくべきこととして
「共感」「学び」「笑い」のどれかを得られる内容を発信することが大切です。
ポータルサイトやTVCM、看板などとは大きく違い、
SNSが世界中のユーザーに愛されて使われている点はこの3点に尽きます。
トレンド
特にTwitterでは最新のトレンドが検索画面に表示される仕様となっており
この機能を活用することは初期段階では非常に大切です。
何故なら、トレンドに挙げられている内容を踏まえた投稿をすることで
検索結果に表示される機会が増えて、露出度が増すためです。
自社に関係がないトレンドにおいても、自社との関連付けを積極的に行い
まずはインプレッション(見られる機会)を増やす施策が大切です。
Twitter以外のSNSにおいても、
最新のニュースや時事ネタからトレンドを踏まえた投稿はインプレッションを増やすという点においては重要な施策です。
ハッシュタグ
インバウンド施策として最後に挙げられるのが「ハッシュタグ」です。
近年はInstagramの普及に伴い、
「ハッシュタグ検索」がInstagram以外のSNSにおいても使われる機会が増えています。
自社の立ち位置や、投稿内容に関連する単語を投稿文章内にハッシュタグとして投稿することで
検索流入で表示される機会が創出されます。
まとめ
SNS採用は間違いなく今後のトレンドとなり得る重要な施策になるはずです。
しかし、SNSの導入はまだまだ不十分なため
ブルーオーシャンな市場だと思っています。
SNSに関するアルゴリズムは公表されていないので、必ず成功するという施策の実施が難しく
尚且つ結果が出るまで時間がかかるため導入ハードは高いと思いますが
中長期的な採用成功の確立にあたり是非導入してみて下さい。
本記事がご参考になれば幸いです。
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